これからのSNSマーケティングは短尺動画が主役に。企業のSNS活用で縦型ショート動画が重要な理由とは?

これからのSNSマーケティングは短尺動画が主役に。企業のSNS活用で縦型ショート動画が重要な理由とは?

TikTokを筆頭に、縦型のショート動画(短尺動画)を視聴するユーザーが急速に増加しています。

スマートフォンでの視聴体験にマッチした縦型のフォーマット、短尺ゆえにスキマ時間で多くのコンテンツを楽しめることなど、現代のユーザーの行動様式やニーズにマッチした視聴体験が、ショート動画の急速なシェア拡大の要因でしょう。

さて、「縦型ショート動画」「短尺動画」といったワードを聞いた時に、TikTokを真っ先に想起する方は多いのではないでしょうか?加えて、Z世代を中心とした若者向けのコンテンツだというイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれません。

しかし2023年現在、ショート動画の市場はそうしたイメージとは異なる状況になっています。そして同時に、企業のマーケティング・プロモーション施策においても重要性が高まっているのです。

本記事では、企業のSNS活用において縦型ショート動画が重要な理由について解説していきます。

あらゆるSNSで縦型ショート動画のコンテンツが主流となる時代に

まずは、国内の主要SNSにおける縦型ショート動画のシェアの動向を見ていきましょう。

TikTok

縦型ショート動画SNSの筆頭であるTikTok。ユーザー数は2021年時点で約1,700万人まで増加しています。

参考:
「2021年に活用を始めないと乗り遅れる」電通天野氏に聞くTikTok活用の今

数年前のTikTokを知っている方だと「ダンスやエンタメ動画のSNS」というイメージを持たれているかもしれません。もちろん今もそういった動画は多くありますが、現在では以下のようなジャンルを中心に、動画のジャンルはかなり多様化しています。

  • ライフログ(Vlog)
  • 料理レシピ・ライフハック
  • コスメや日用品などの商品レビュー
  • グルメや旅行などお出かけスポットの紹介

こうしたコンテンツが増えていることと関連し、利用手段が単なる娯楽目的だけでなく、ユーザーが自分にとって有益な情報を得るための手段としても活用されるようになってきています。

実際にモバイル社会研究所の「モバイル社会白書Web版」における2022年のアンケートでは、TikTok利用者のうち「生活情報を収集する」ユーザーの割合は17.5%でLINEの16.6%よりも高く、「世間で話題になっているモノ・コトを把握する」ユーザーの割合は34.2%とTwitter(現X)の41.1%、Instagramの36.9%に次ぐ水準です。

 

ここからTikTokが「トレンドや自分に役立つ情報を知る」ツールとして浸透しつつあることが読み取れます。

またTikTokはZ世代を中心に若者向けのSNSというイメージも強いですが、2023年の調査では国内のTikTokユーザーの平均年齢が約36歳と、既に若者以外の幅広い年齢層に普及していることが分かります。

参考:
TikTok ユーザーの平均年齢が「36歳」に上昇:博報堂のコンテンツファン消費行動調査にみる、日本におけるTikTokユーザーの実態とは | DIGIDAY[日本版]

Instagram

Instagramにおいても縦型ショート動画「リール」の利用ユーザーが急速に増えています。

リールは、Instagram内で投稿・視聴ができる15秒~最長90秒の縦型フォーマットの動画です。TikTokと近しい視聴体験のリール専用タブをはじめ、フィードや発見タブ、アカウントのプロフィール欄など、Instagram内の様々な場所で動画を視聴することができます。

グローバルでの調査によると、2023年時点で約75%のInstagramユーザーがリールを視聴しているとのデータがあります。

参考:

https://www.businessinsider.in/tech/news/instagram-and-facebook-are-reeling-in-tiktok/articleshow/100848378.cms

実際に直近のInstagramに触れている方であれば、以前よりもフィード投稿や発見タブへの動画の表示割合が増えている、それも自分のフォローしていないアカウントの動画が増えていることを実感されているのではないでしょうか?特に普段からリールをよく見るユーザーには、おすすめとして表示されるコンテンツのほとんどが動画になることもあります。

Instagramの責任者であるAdam Mosseriも、Instagramを動画中心のSNSにシフトしていく方針を表明しており、新機能のリリースもリールに関するものが中心となっています。今後もその流れは継続していくでしょう。

YouTube

YouTubeの短尺動画フォーマット「YouTubeショート」も年々その存在感を増しています

グローバルでは2022年から2023年にかけて、YouTubeショートの視聴ユーザー数が15億人から20億人30%以上増加しています。

参考:
Google says 2 billion logged in monthly users are watching YouTube Shorts | TechCrunch

また国内のYou Tubeショートの動向を知るうえでは、YouTube事業を営むUUUM社の2023年7月の決算説明資料が非常に象徴的です。

資料によると、同社に関連するYouTuberの動画再生回数におけるYouTubeショートの割合は直近約1年で約2.4倍に増加、そして最新のデータでは、ショート動画の再生回数が僅かに通常動画の再生数を上回るまでに伸長しています。

こうしたデータを見ると、YouTubeにおいても、縦型ショート動画であるYouTubeショートが主流のフォーマットになる流れは避けられないものとなりそうです。

LINE

LINEにおいても縦型ショート動画のフォーマット「LINE VOOM」が提供されています。個人や公式アカウントから動画を投稿することが可能です。

LINE社が公開するデータによると、LINE VOOMを月1回以上利用するユーザーの数は6,800万人。LINEのアクティブユーザー数が莫大なだけに、他SNSと比べても動画に接触するユーザーの数は多いです。また年代も30代以降が全体の60%以上を占めており、他SNSではリーチできない年齢層が多く視聴していることも特徴と言えます。

参考:
LINE VOOM|LINE for Business

企業のSNSマーケティングで縦型ショート動画が有効な理由

新規ユーザーにリーチしやすいアルゴリズム

SNSにおける縦型ショート動画の特徴として「フォロワー数に関係なく、ユーザーからの反応が良い動画は再生数が伸びやすい」という点があります。
その最たる例がTikTokです。TikTokはフォロワーが数人~数十人程度のアカウントであっても、動画の反響次第で100万回再生を超えるような、いわゆる「バズる動画」が生まれることも少なくありません。

その理由は、SNSにおけるショート動画のアルゴリズムにあります。
TikTokやInstagramリールを始めとしたSNSにおいては、概ね以下の評価指標に基づき、ユーザーのおすすめ欄に動画が表示されます(媒体ごとに項目、優先度は異なる場合あり)。

  • 動画の視聴完了率の高さ
  • 動画の再生時間の長さ
  • 動画に対するリアクションの多さ(いいね、シェア、保存、コメント等)

フォロワー数などのアカウントに関する情報は、動画がおすすめされる要素としては低くなっており、単純にフォロワーが多ければ再生数が増えるとは限りません。ショート動画SNSにおいては、コンテンツそのものに魅力があれば、フォロワー外の新規ユーザーにも発信を届けられるチャンスが多くあるのです。

投稿に対するエンゲージメント率(好意的な反応)が高くなりやすい

グローバルでのInstagramに関する調査によると、リール(動画)と静止画の投稿を比べた際、リールのエンゲージメント率(いいね、シェア、コメント、保存など好意的な反応をする確率)が1.75倍高いというデータがあります

参考:
Instagram Engagement Rate Benchmarks | Socialinsider

スマートフォンで視聴した際の視認性の高さ、短時間で得られる情報の多さなど、静止画と比べてフォーマットの優位性があるからだと考えられます。

一般的にSNSの投稿において「エンゲージメント率」の指標はとても重要です。なぜなら、エンゲージメント率が高い投稿=SNSユーザーにとって有益なコンテンツであるという評価をされ、結果として投稿がより多くのユーザーにもリーチしやすくなるためです。

なお、これはSNS広告においても同じことが言えます。広告クリエイティブの品質評価の要素にエンゲージメントが含まれるためです。エンゲージメント率が高い(クリックされやすい、いいねやシェア、保存数が多い)広告クリエイティブは「良い広告」と評価され、より少ない予算で多くのユーザーにリーチできる可能性があります。

つまり、エンゲージメント率で有利な縦型ショート動画は、そのフォーマット自体が投稿においても、広告クリエイティブにおいても有効と言えます。

媒体をまたいで横展開がしやすい

縦型ショート動画のフォーマットは主要SNSでほとんどの規格が共通しています。「縦横比が16:9」「60秒以内※媒体によっては90秒以内」「MP4もしくはMOVファイル」の動画であれば、以下のSNSでの投稿や広告クリエイティブとして活用ができます。

  • TikTok
  • Instagramリール
  • YouTube ショート
  • LINE VOOM

各SNSで反響を得やすい動画は共通することも少なくなく、実際に多くのインフルエンサーや企業アカウントが、1つのショート動画を複数のSNSでの投稿に活用しています。SNSによってサイズ変更などのカスタマイズをする必要がなく、SNSや広告施策の工数を抑えられる点はメリットです。

縦型ショート動画は購買行動にもつながる

SNSマーケティングに関わる方であれば「TikTok売れ」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。実際にTikTokを活用し商品プロモーションを成功事例は様々なメディアで数多く紹介されており、具体的には花王の日焼け止め「ビオレUV」が3年掛かりのTikTokプロモーションを通じて、日焼け止めジャンルでシェアNo.1を獲得した事例がTikTok社から公開されています。

参考:
TikTok売れでシェア1位に 花王ビオレUVのTikTok活用戦略

またTikTokのみならず、他SNSを含めたショート動画でも、購買に影響を与えているというデータが複数あります。

たとえば、日経クロストレンドに掲載された記事内のレポートによると、15-49歳の55.6%が「ショート動画が自身の購買に影響を与えている」と回答しています。

参考:
「ショート動画が購買に与える影響」 調査で判明、5万円超の購入も

その他にも、MMD研究所の調査からは「ショート動画を見て商品を購入したことがある」人が32.2%というデータもあります。このようにショート動画をきっかけとした購買行動は、多くのユーザーにとって一般的になりつつあることが分かりますね。

参考:
「ショート動画を見て商品を購入したことがある」は32.2%。購入ジャンルのトップは「食品」【ショート動画とEC調査】 | ネットショップ担当者フォーラム

 

縦型ショート動画のSNS活用は「マストで取り組むべき」施策に

今回の記事から、縦型ショート動画が幅広い世代のユーザーに親しまれるフォーマットとして普及していること、また各SNSにおいてショート動画がメインのコンテンツフォーマットになりつつあることが分かったと思います。

SNSマーケティングにおいて、縦型ショート動画は「取り組むと先行者利益を得られる」フェーズから「取り組まないと遅れを取るリスクがある」段階に移行しつつあります。

今まで「まだ自社のマーケティングに動画施策は関係ない」と考えていた方がもしいれば、これを機に優先度を目直してみるといいかもしれません。

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